「PDCAサイクル」って、結構かわいそうなことばだなぁ、と思うのは、聞けば誰もが「知っている」というのに、「やってますか?」と聞くと、子どもの宿題やスイーツを目の前にした女子のダイエットのように、「あ、明日やる」ってなる。
やるつもり、やらなきゃいけないのはわかってるけど、みたいな言い訳を、ホントに目にする・耳にすることが多くて、ごくたまに、ちゃんとやっている会社に出会うと、それだけで涙が出たりします。
先日、とある方と「どうしてなんだろうねぇ~、どうしたらいいんだろうねぇ」という話をしていたときに、ちょっと「そうかもね」という考えに至ったので、今日はそれを書いておこうかな、と。
PDCAサイクルがちゃんとまわせている会社・組織の特徴は、それ自体が仕事の仕組みとして完成していて、そのための「リソース(ひと・もの・かね・組織・原則)」とそれが無いと話にならないという「文化」が整っているんですね。
逆に言うと、そうでない会社では、「担当者のやる気と根気と能力」にゆだねられていることが多い。
世の中は、わりと、終わった仕事に時間を遣うのが嫌いなひと、新しいことを始めるのが好きなひとが多くて、放っておくと「CA」に行きにくい。 「やりっぱなし」、「はい、終わった、次!」とか、または、せっかくCまでいっても、「ダイエットは、いつかそのうち」になってたり。
ってことはですよ、会社の組織・仕組みとか文化とかを変えないと回らないってこと?
そうなると、ちょっと絶望感すら出てきちゃうじゃないですか。 いち担当者には荷が重い。
そこで、話になったのが、
「Pの段階で、CとAで何をするかを決めて、リソースを配分しておく」
という、いとも簡単な、でも案外できてない解決策。
ひとつは、PにCとAを入れておく。 プランニングの段階で、いつCをやるか、Cで何を見るか、何を基準にして、大成功・成功・即改善・失敗とするかを決めておき、その結果によって次に何をするか(A)を予定しておく。 それをPの「仕事だ」と決めておくということ。
それの無いPをPと呼ばない。
すいません、すごい「ふつ~~~~~」に聞こえるかもしれませんが、「やらなくちゃと思ってるんですけど、なかなかちゃんとできないんですよね」というケースの多くが、これをサボってる・面倒くさがってるので。
もうひとつ、「リソースを配分しておく」について、もう少しわかりやすく解説しておきます。
リソースってお金だけじゃないんですが、わかりやすいので、お金で話ししますね。
例えば、1000万円のプロジェクトがあったとき、とてもとても多くのケースで、PとDに全額つぎ込んでしまっている。 それじゃあ、CとAなんて、できないに決まってるわけです。 (PDCAが仕組みになっていて、あらかじめリソースが配分されている会社・組織の場合は別。)
それを最初に、1000万のプロジェクトなら、PDには700万、Cに100万、Aに200万、と配分しておけば、「投資のために配分したお金は、きちんと有効に使い切ること」(詳しくはこちらの「今さら聞けない」記事を)が原則のビジネスの世界ですから、CもAも動くわけです。
例えば、10億のプロジェクトがあったとしたら、PDに2億、Cに1億、Aに7億配分したりもできますね。
大きな投資なので、失敗は許されない、ならば、素早く&小さくやって、きっちりレビューして改善点を見つけ出して、改善されたものを、ガン!と実施する、みたいなイメージです。
(ネットの世界では、DCACACAみたいなこともたくさん見かけます。 さっさとやっちゃってから、改善点を見つけては改良していく、みたいな。 それが常に正しいとは言いませんが、鈍重なビジネス・組織のひとには、目からウロコの見方・考え方・進め方です。)
最後に、精神論っぽく聞こえるといやなんですが、私自身の「思考・行動原則」をちょこっと。
マーケティングの世界で、「完璧なプラン」や「完璧な実施」なんて、絶対に存在しない。 どんなに完璧だと思っても、あとで必ず「ああしておけばよかった・こんなはずじゃなかった」が見つかる。
ならば、最初から「ちょっと失敗する」ことを予定しておいて、さっさと前に進めばいい。
そんな風に考えてます。
(と同時に、丁寧さ、細部にこだわることの重要さとのバランスも取らないといけないんですが、その話はまた今度。)
お。