マーケティングにはいくらかかるの?
ブランディングってお金かかりそう!!
CMに出てるあの女優さん、スポーツ選手の契約料はいくら?  あれだけTVCM流すのにいくらかかるんだろう?
やっぱり、有名なデザイナーさんに頼まないといけないのかな、高そうだな。
今さら聞けないお金の話の数々。
マーケティングのいろんな費用がどのくらいの相場かは、お酒の席に持ち越させていただき、もう少し一般的な、ブランドマーケティングとお金の関係について書きたいと思いました。

マーケティング的に、あなたのお金のセンスはどの程度でしょう?
簡単にはかるミニテストを考えてみました。
あなたがブランドマネージャーで、もしこういう報告を受けたら、どう反応するか、選択肢の中からひとつ選んでみてください。

あなたが受けた報告: 「先月までのプロモーション、目標に対して100%の売上を達成できました! しかも、かかった経費は見積もりの60%で抑えられました。 目標通りの売上を上げながら経費の4割を節約できましたので、このキャンペーンでのROI(投資対効果)は14でした!」

これに対してあなたの返答を、次の選択肢から選んでみてください。
A-> 「予定通りの売上を達成し、同時に経費節約もできたなんて素晴らしい! 期待以上だよ!!」
B-> 「売上は予定通りなのは良かったが、残った予算を消化しなきゃいけない。 消費者調査なら来年の施策に活かせそうだからすぐに計画して、予算を消化しよう。」
C-> 「予算に対して6割の経費で売上が目標に対して100%だった? ちゃんと予算通りに使い切らないといけないじゃないか!!」

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そういえば「お金は大事だよ〜♪」って名CMがありましたね。 (なぜ名CMかは、店主の過去ブログで。)
マーケティングでもしかりです。
ということで上のミニテストの回答。ブランドマネージャーとしてお金のセンスがある選択肢の順番はというと、C、B、Aです。


なぜなら??  ROIが14もある効率的なキャンペーンなんだったら、きっちり予算通りにお金を使い切っていれば、もっと売上が増え、売上を目標に対して100%以上に伸ばせたはず。
売上や利益を1円でも増やすために、経費を使い切るべき、という意味に誤解されやすいのですが、そうではないのでもう少し説明させてください。



「マーケティングにかかるお金は、コストではなく投資である」
という有名な格言はどこかで聞いたことがあるのでは(コトラー教授の言葉だそうです)。 つまりマーケターは、会社のお金をマーケティングに使うことによって、売上や利益の増加という見返りを実現するよう期待されているうえに、ブランド価値を高めることも期待されています。 使ったお金に対して上がった売上やブランド価値のバランスをROIで計ったりしますよね。 ブランドの売上を伸ばしていくためには、きちんとROIを検証し、より高いROIの施策にお金を投資し続ける必要があります。 競合ブランドよりも効率的にお金を使えれば、競合ブランドよりも元手が少なくても、より大きな売上を上げることもできます。

報告のあったキャンペーンのように、経費が見積もりに比べ6割と、大幅に少なく終わってしまった場合、そのキャンペーンのROI14よりも高いROIの施策をお持ちなら、残りの4割のお金をそちらに回せばいいですが、すでに十分高いROIなのでむしろお金を余らせて使わなかったほうがもったいない。
つまり、非常に有効な投資ができたはずなのに、その機会を逃してしまって、(そのままにしておいても増えてくれない)お金を残してしまった、と解釈するわけです。
ブランドマネジメント、ブランドマーケティングでは、特に投資のリターンとして短期的な売上や利益だけではなく、ブランド認知や、新規ユーザー数、客単価なども重視します。 将来のブランドのビジネスを支える新規ユーザーや認知、ブランドへの愛着心を示す客単価など、投資だからこそロングスパンの指標や、プロセス指標も重視します。  (そもそもブランドエクイティの「エクイティ」とは「資産」という話をした「今さら聞けない」ブログはこちら。)

マーケターは、家庭の財布を握る主婦とは違います。 家族四人分のご飯をより安い材料費で作り、食費を浮かすことができれば賢い主婦として褒められますが、ブランドマーケティングから言えば、同じスーパーで予算通りお買い物しておけば、義理の両親二人のご飯まで作れて、賢い主婦のみならず「よくできた嫁」の称号まで手にすることができたかも、と考えてしまうものなのです。

強欲???
一説によると、マーケターには関西人が多いとか・・・。

れ。