12233462_1083217045031529_575983665_nみなさんは「しゃんしゃん会議」に遭遇したことはありますか?

何度か偶然出くわした経験から、世の中には「しゃんしゃん会議」について二つの大きな誤解があるのではないか、いや、少なくとも私をはじめ、私の周囲の(元)外資文化育ちには、必ずやこの誤解が存在すると思ったので、それを書いてみたいと思います。


一つ目の誤解は、その定義、つまり、そもそも「しゃんしゃん会議」とは何なのかです。

つい最近まで私は「しゃんしゃんと終わる会議のこと」、つまり議事が滞りなく進む会議のことだと思っていまして、ほとんどの方の頭の中のイメージもそうではないかと。 

違うんです。 大きな誤解でした。

私が発見した「しゃんしゃん会議」は、議題を担当する担当者が、淡々と議題内容を報告し、他の会議参加者はそれを聞いて(または聞いてるつもり、も多い)会議が進行し、そしてその悠然とした空気の中で終わる会議でした。


ちなみに、過去に店主が書いていた「踊っている会議」とも違うのです。 「踊っている会議」は、担当者は必要最低限を報告し、会議中に発言があるのですが、しゃべっているのはほぼ100%偉い人のみ。 にも関わらず結局なにも決まらない会議。 偉い人がもったいぶって鍋奉行しているが、私たちは何鍋を作っているのか私たち自身も分からない闇鍋パーティーみたいなもの・・・。 (最近わかったことですが、「踊る会議」と「しゃんしゃん会議」は表裏一体、または根っこは一緒だったりするようで、その話は次回以降に詳しく。)


一方、「しゃんしゃん会議」は例えて言うなら、学校での課題発表の場を思い出してみてください。 学生が先生から与えられた、または(一応)自発的に選んだ課題について情報をまとめて、クラスのみんなの前で発表している様子。

そういう課題報告の結論は大体、

「以上です。」

「よく調べられましたね~、ご苦労様。」

というやり取りか、

もし課題が自分の生活に関係のある内容ならば、

「~~ということが分かったので、今度からがんばります。」

という意思表明で締めくくられますよね。

まさにこの一連の「授業課題報告」の様子が、会社の会議室でも繰り広げられるのが、私が発見した「しゃんしゃん会議」でした。


そう、そういう場では、「報告」、「発表(プレゼンではなく日本語の『はっぴょう』)、「頑張る」というのが頻出キーワードです。 これをあなたの職場でもよく耳にする場合は、あなたの会社も「しゃんしゃん会議多発地帯」の可能性がありますね。

会議室でゴルフのスイング練習をしている方を見つけた場合には、それは間違いなく、しゃんしゃん会議帝国の領域内です。 もちろん、居眠りも多発します。


さて、私がこれまで経験してきた会議では、会議が「報告」や「発表」で終わることはほぼ皆無でしたので、会議という場は、「議題内容について議論し、なにか意思決定を下し、次に実施すべき事項とその責任者を明確にする場」だと思っていました。

そのため人生で初めて「しゃんしゃん会議」に参加者(担当者の議題報告を聞く側)の立場で出席したとき、「会議をしゃんしゃんと終わらせてなるものか!」と、情熱的な職業人らしく、論点や疑問点を挙げて「活発な議論」を試みたのです。

それが私の二つ目の大きな誤解でした。


会議が「しゃんしゃん会議」になってしまうのは、担当者や会議参加者が、意識的に会議の席上での議論を避けようとしているからか、そもそも仕事へのモチベーションが低いからだと思っていました。

そのため私は、会議を「しゃんしゃん♪」とで終わらせないために、一生懸命、報告内容でん?と気になった点や、深く議論したい、と関心を持った点を指摘して、他の参加者の意見や担当者の考えを皆で共有し、次に何ができるかを明確にしようとしたのでした。

しかしその私の空回りした情熱は、会議の和やかな雰囲気に包まれて終わりました・・・。

「れ。さんがおっしゃたようなことは、報告のあとで起きたことで、それを実施した結果として出来上がった状態なのかもわかりませんねぇ~」みたいなことを笑顔で言われたような気がします。 


その時、気づかされたのです。

「会議がしゃんしゃん会議になるかならないかは、会議中の私たちのやる気や言動で決まるものではなく、会議が始まるも・・・・っと事前に決まっているのだ」と。

つまり、そもそもスタート時点で、議題となっている業務の、戦略や実施の意図、目的、責任範囲、担当領域の割り振りを、はっきり定めないまま業務を実施することによって、会議での議論ができなくなってしまうのです。 何を議論したとしても、それがなぜ重要な問題となるのか、どこが担当する内容なのか、それを今後対処すべきかどうなのかが、戦略や目的、それを実施する当初の意図、責任部署があやふやなままでは、結局何も「議論」できないし、何も決められません。

そのため会議は議題内容について報告にとどまり、参加者に求められる会議中の行動は、議論と意思決定ではなく「報告」を受けること、そして会議後に実施すべき事項について賛否や是非を問うのではなく、「引き続きがんばってくれたまえ」と言うこと、そしてシャンパンで乾杯して?お開き・・・。

会議が「しゃんしゃん会議」になるかならないかは、すでに、ず~~~っと前から運命づけられているので、私がどんなにその席上であがいても、もう遅かったのです。

以前、店主も、政府系大手通信会社の会議で、「しゃんしゃん会議」なのに議論してしまって、つまみ出されたことがあるそうです。 私の場合、つまみ出されなかっただけマシだったかも?!?


こうした経験のおかげで、今や私は会議を「しゃんしゃん♪」と終わらせるためにはどうしたらいいのか分かったため、今後の世渡りに活用できそうです(笑)。 

しゃんしゃん会議の作り方:

(1)事前準備はしっかりと。 業務の目的、戦略、それが必要となった背景や意図、ましてや成功か失敗かを決める基準なんて、決して事前に明確にしない。

(2)業務遂行中も大事。 責任部署と役割の割り振りは、あいまいなまま進めましょう。

(3)会議用スライドには「ディスカッションポイント」なんて、40度以上の高熱で頭がおかしくなったとしても、入れない。


これだけで、あっという間に出来上がりです。

居眠りなんて序の口、シャンパンのつまみにゴルフの話題が出来たら完璧でしょう。

外資育ちは空気が読めないなんて、もう言われませんように。。。


れ。

 

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