振り返って11月でえとじやに入社して2年目を迎えました。 仕事を始める前はどんなことが待ち受けているのか、期待と不安のスタートでしたが、始めてみるといろんな業種のいろんな方とお会いでき、とても楽しくお仕事できました。
そんな中で、へえー、なるほど、うーん、と思うこともさまざまありました。 前例(? お。さんの「1年を振り返って、7つの驚き。」ですね)にならって書いてみようと思います。 7つにしたかったのですが、6つで。

1.業界さまざま、商品さまざま、でも大事なことは同じ。

この一年で、一番確信できたのがこれです。 いろんな業種のビジネスを少しずつ勉強させてもらいましたが、結局本質的な、大事なことはどこでも同じなんだな、という理解ができました。 これは嬉しかったです。


2.皆さん、優しい。 そして共感がある。

「これは、米系大手外資の弊害なのかも知れませんが、前職では、みなさん常に「戦闘モード」で会話しますし・・・」と去年お。さんが述べていますが、本当にそうで、ミーティングの後にはぐったりとして甘いものをばくばく食べる、なんていうこともありました。 が、この一年間、もちろん外部の人間、ということもあるかもしれませんが、皆さん優しい。

社内外問わず、お互いが非常に協力的で、「そうなんだよね」ってみんなで共感できる場面が多々あり、これは働く上で大きなモチベーションになりました。

3.共感できる分、気をつけないと・・・

ただ、共感が時折、ナーナー(ってカタカナ?)になったり、本当は細かく突っ込んで議論するべきところが、そのままになったりする場面も見受けられました。
お互い分かったつもり、だったり、わかったふりをしていたり。 でも聞いてみると他の人の反応をうかがいながら、無難な回答ばかり。 さらに突っ込むと答えはばらばら。 これは注意が必要です。

前職時代は上司や関係者が外国人だったりして、日本人の阿吽の呼吸がまるでないので、「なんでそんなことまで?」っていう細部の説明を求められ、つらかったのですが、今思えばあの作業でかなりの部分まで言語化して落とし込め、それが共有化できていたんですね。

4.「先生に教わる」の学習モデル

日本人はやはり学校で先生から勉強を教わる、という学習モデルで育っているんだなあ、と再確認。 1)教科書が必要、2)理論から入る、3)先生の話していることに異論ははさまない、4)自分の考えは間違っているかもしれないので、(特に自分よりよく知っているであろうと思われる人がいる前では)みんなの前で自分の考えは出さない。 でも実は意見はある。

今の仕事になってから、クライアントさんの前でプレゼンやセミナーをさせていただく機会が多くなりましたが、最初は反応が悪いのにちょっと不安を覚えていたりしました。 が、終了後のアンケートでは「とてもよかった」と書いていてもらったり。 なので、見た目の反応と実際の反応は違う、この学習モデルに合わせて構成が必要、というのが学びでした。

でも、もっとインタラクティブに参加してもらったほうがいいんだけどな。 こちらのファシリテーション能力を上げることも重要ですね。

5.製品への愛と客観性の両立

皆さん自分の携わる製品について伺うと、いろんな形で製品への愛情を語ってくれます。 本当に誠実に、まっすぐに取り組んでおられるので、製品知識はもちろん、開発に関わるエピソードなどもたくさん出てきます。 カレーを作っている人に話を聞いた時は、自分もカレーをかき混ぜている気分になれました。

ただ、その製品が市場に出たときに、どう見えているのか、どう受け取られているのか、という少し引いて見た、客観性はある程度持っておくといいんでしょうね。 よくあるのが、「これだけ一生懸命作っているんだから、お客さんも理解しているはず」という思い込み。

時としてこの思い込みが間違った戦略設定になることもあるようです。

「こんなにおいしいカレーなのに売れないなんて。もっとおいしくしなければ!」←そんなにおいしいって、まだ気づいていない人が多いだけかもしれません。

6.無駄な調査

調査に関わっている私からするとすごく残念なのですが、どうやら無駄な調査が世の中にはたくさんある気がします。

調査会社にすすめられ、型にはまったありきたりの調査をなんとなくやって、どう使うかわからず、結局「ふ~ん」と言って終わり。

もしくは、コンセプトテストなど製品に対しての評価をやたらとたくさんやっているケース。 たくさんテストしてどれかあたればいいなと神頼み。 これまた無駄。

書き出すと長くなるので、ここでは触れるだけにしますが、調査の役割は、会社のビルの中からはわからない、お客さまのインサイトを理解し、それをビジネスにつなげること。 目的に合った、柔軟なリサーチが、必要最低限行われるべきです。 これを改善するのがいわば私の仕事なので、自分ががんばらないといけないのですが。

K。