TVNutきっとfacebookか、個人のブログに書くようなことなんでしょうが、ちょっとこっちに書いてみます。

写真の変な置きもの、この度、オフィスが整ったので、デスクに置くことにしました。

「TV Nut=テレビを見るナット」です。


23年とちょっと前、大学を出て、在阪弱小(当時)外資消費財メーカーの新入社員だった私は、研修を終えて大阪に帰る直前の旅行で立ち寄ったニューヨークの道端でこれを買いました。

広告を作る仕事に携わりたくて、あちこち就職活動をしてみたものの、D2さんやHH堂さんはもとより、あらゆる広告代理店に蹴られ、メーカーもどこも散々で、まぁ、大阪だけど他に行くとこないし、赤字垂れ流し外資とはいえ、すぐに撤退はしないだろうし、部署別採用だったのでマーケティングの仕事ができるんなら、いつか広告を作らせてもらえる日もくるだろうし、と、その会社に入りました。

で、まぁ、「初心忘るべからず」と誓ったわけでもないのですが、これを見つけた時、デスクに飾っておいたらかわいいかな、と思って、数ドルで買ったものです。

その後、ずっとデスクに置いていて、そういえば、阪神大震災で神戸のオフィスが閉鎖になったときも、「必要最小限の資料だけ持ってくるように」と言われて、がれきを乗り越えて資料集めに行ってくれた部下に、なんと、これを持ってきてもらって仮オフィスに飾っていました。 (どう考えてもふざけた話ですが。)

その後、新しい部署を立ち上げたとき、まさに広告ばっかりの仕事に移ったわけですから、もちろんこいつを持って異動しました。

3年前、会社を去るときにも、ほとんどの持ち物はあっさり処分したけれど、こいつは家に持って帰りましたね。 なんとなく、ね。 さすがに20年以上も一緒にいたし。

今の仕事を始めてからも、家で仕事をしていたので、リビングのスピーカの上に置いていました。
で、今度はオフィスに引っ越していただいた、というわけです。


今はもうTV広告の仕事に関わることなんてないんですが、(いえいえ、クライアントが望めば、いくらでもやりますよ、もちろん。 どちらかと言えば、かなり得意なほうなんで。)、なんとなく「初心」というか、自分は何をしたかったんだっけなぁ、とか。 普段、そんなこと思いもしないのですが、今回、TV Nut君にお引っ越しいただいたときは、ちょっと考えました。

TV広告を作るかどうかは別として、マーケティングと言う、テレビや雑誌や、あるいはパッケージやお店の向こう側にいるお客さんに、見てもらい選んでもらい好きになってもらう仕事を、そういえば、そういうことがしたくて就職したのだし、なんとなくそればっかりをやってきたし、結局、それを今でも(細々と)続けているわけなんだなぁ、んで、全然飽きないなぁ、案外、幸せな状態なのかもしれないなぁ、と。


てなことを考えてみた、という、それだけのお話でした。

お。