いい季節になりました。 アジアの東の端っこ、秋津島は収穫の秋です。 震災、台風、と、農業に携わる方にはとりわけ厳しいこと続きの年でもありましたが。 被害を受けた地域にも、早く、豊かに実った田んぼの上をトンボがすいすい飛ぶ秋が来ますように。
さて、今日は思いっきりトリビアなネタです。
先日、あるクライアントさんと電話会議の最中、なんとなく
「で、ヤンマーって、なんでヤンマーって言う名前になったんですかねぇ?」
ということになり、いやいや、便利な世の中になったもんで、電話しながら、ちゃちゃっと検索してみたら、すぐさま出てきました。
(こちら、yurai.jpからの受け売りです。)
創業者の山岡孫吉さんとおっしゃる方、世界で初めて小型のディーゼルエンジンの実用化に成功した方だとか。
その方が農業機械のエンジン製造メーカー、山岡発動機工作所を、明治の後期に創業。 そもそも農業と機械化の出会ったところからスタートしたんですね。
んで、大正時代にできた新型の機械に、豊穣のシンボルである「トンボ」の印を付けたわけですが、なんと、すでに「トンボ印」は静岡の会社が商標として登録していたらしく、訴えられてしまいます。
こりゃいかん、と、すんなり引きさがるかと思いきや、きっと悔しかったんでしょうねぇ、「相手がただのトンボなんやったら、こっちはその上行ったろやないか! トンボの親分、オニヤンマで、ヤンマーや! どや?」と言ったかどうかはともかく、「ヤンマー」となったということだそうです。 山岡(ヤマオカ)という音の連想ということもあったのでしょう。
農業の機械化という時代の要請と、小型の発動機の技術が出会って生まれた会社だからこその、トンボ=ヤンマのブランド名だったわけです。 ブランドには名前があり、出自があり、物語があり、それがDNAとなって、さらに強いブランドへと成長していくんですねぇ。
トリビア、トリビア。
さて、ヤンマーと言えば、みなさんご存じの「ヤン坊マー坊天気予報」。 なんと、TVの本格的な普及が始まったばかりの1959年から、今まで、基本的な構成を変えずに続いている超長寿番組なんですね。 歌えるひと、多いですよね?
なんで、ヤンとマーに分けたのかは(コンバインとの連想?? とか想像しながらも)わからないんですが、それはともかく、20世紀の中盤から半世紀以上、天気予報を提供し続けているわけです。
日常生活を送る上でも大切ですが、農業にとってはさらに重要な情報である天気予報を、農業機械をその生まれに持ち、その後も農業機械を中心に歩んできたヤンマーという会社が、お客様のニーズに応えるコンテンツとして提供し続ける。
見事なブランドマーケティングであり、見事なメディア戦略だったわけですよ。
トリビア、トリビア。
でも、すごい。
ブランドマーケティングの教科書に載せていいケーススタディーです。
お。