雪中梅つい先日、とあるパッケージディレクションのセミナーでオープニングの講義をさせていただいているとき、「クライアントのマーケッターとクリエーターはいったい誰のために仕事をしているのか」みたいなことを話したんです。 少し前に作ったチャートとか引っ張り出してきて、自分の大失敗談とか交えながら。 (1年前のこの記事の時に、貼りつけてますね、そのチャート。

で、ふと、気付いたんです。

まぁ、自分がしゃべってることに感心したり、気づきを見出したりしてるあたり、かなり危ないひとかナルシストみたいですが、ほら、言葉にして説明してみると見えてくることってあるじゃないですか。 (と、言い訳。)

よく「顧客中心主義」とか、「顧客第一」とか言います。 私もよく「お客様をしあわせにするためには何をしてあげればいいか」みたいなことを、仕事でもセミナーでもブログでも言います。

一方で、私の専門であるブランドマーケティングでは、「ブランドが一番大事なんだよ、ブランドを育てなさい、ブランドのキャラに合わないことしちゃだめですよ」てことも、散々話すし書くわけですよ。

じゃぁ、どっちなのよ?
ってことになってしまっていることに、自分でも実は気づいてたんです。 そこを突っ込んでくる厳しい方もいらっしゃって、その場合は、「両方」とか「ケースバイケースです」みたいな、ダメな大人の模範回答をしていたんです。

あるいは、私はよく知らない言葉なんですが、世の中にはプロダクトインだかアウトだか、なんとかアウトだかいう用語もあるんですよね? あれなんか、製品やサービス、あるいは技術や資産などをスタートポイントにしてモノ作りをして売っていくのか、世の中・マーケットみたいなものの要請・需要・潜在ニーズみたいなのを起点に考えるか、みたいなことだと勝手に理解しているんですが、ここでも、誰・どれ・どこが先なの? っていう議論があるわけです。

さて、何に自己陶酔してたかというと、バカみたいな簡単な話なんですが、「一番大事なのは、顧客でもブランドでもなく、そのふたりの関係なんじゃね?」ということです。

しゃべってる最中に確認するなんて、セミナーの受講者には失礼な話ですが。 すいません。

どちらか一方が優先されたりするわけでもないし、そもそもブランドにだってできることとできないことがあって、お客さんのすべてを満たしてあげることはできないし、お客さんだってそんな暑苦しい関係を求めてるわけでもないだろうし。

だから、ブランドマーケティングの真実はどこにあるのかというと、「両者の関係」という実体のないところにあるんだろうなぁ、と。

(そういえば、学生のころに哲学とか社会学の講義でそういうの聞いたなぁ。 本も読んだなぁ。 廣松渉だっけ? 違ったかな。 もう一回読んでみよう、って、実家に置いてあるか。)

まぁ、そういう具合に考えていくと、いろんなことが腑に落ちる気がしているわけです。

ふむふむ、ほほ~~と、ただいまごちゃごちゃ考察中でございます。

日々勉強。

ははは、単なる備忘録みたいなエントリになってしまいました。 すいません。

お。