実際にたいしたもんだと思います。

今年の暮れのコマーシャルは、実は、ちょっとわかりにくくて好きじゃないんですが、それでも、テーマは一貫していますよね。 YouTubeから引っ張ってこようと思ったのですが、何せJニーズさんのタレントさんが出ているので、速攻で消されてしまうだろうし、おそらく多くの方がTVでご覧になっているだろうから、画像はパッケージだけです、すいません。

ウコンの力ハウス「ウコンの力」です。

忘年会&クリスマスという、宴会シーズンを迎え、TVコマーシャルにも気合いが入っています。 たくさん見かけます。

しかし、「?」と思いません?

ちょっとウコンの力の裏面を見てみてください。 ご存じだと思いますが、「清涼飲料水」と書いてあります。 つまり、ジュースだということですね。 はい、ジュースです。

でも、みなさん、お酒の席に向かう前、コンビニに寄って、1本買って、ぐいっと飲んでらっしゃいます。 二日酔いになりにくい、なんて、思って飲むのは、個人の勝手ですから、何とも言えません。 ウコンという植物の根が、身体にいい影響を与えるというのは、おそらく事実でしょうし、もしかしたら、というか、かなりの確率で漢方薬のひとつですよね。 カレーのスパイスという印象の方が強いですが、カレーも健康に与えるいい作用が語られることの多い食べ物です。 そういうわけで、みなさん、ぐいっといくわけです。

また、あれ、いいのよねぇ、とか、人が言っているのを聞いたりすると、余計にね。

思わず2本飲んじゃったりするわけですよ。

あのコマーシャル、何かにそっくりですよね。

宴会や飲み食いする席にタレントさんがずずずいっと出てきて、あるいは、今年のCMは、宴会の行き帰り、はしごしてしまう酔っ払いと思しき人たちのところにタレントさんがずずずずいっと出てきて・・・・。 いつかそのうち、

「食べる前に飲む!」

って、言ってしまうんじゃないかと、どきどきしながら見てしまいます。 (顆粒タイプもあるしね。)

こういうのをマーケティングの力というんでしょうか。

単なる清涼飲料水にすぎない、しかし、人々がなんとなく効くんじゃないかと信じている原料を主成分にした飲み物を、なんとなく薬っぽいデザインとサイズのパッケージに詰めて、(正面に「毎日元気に乾杯!」とか、書いちゃって)、コンビニや薬局のそれっぽい位置の冷蔵庫にディスプレイして、広告では、決してはっきりそうとは言わず、しかし、明らかに人々の中に作られ存在している、カジュアルなものだとはいえ、医薬品の広告のイメージにそっくりのCMを展開する。

当然、人々は、(これをお酒を飲む前やたくさん食べる前に飲むと、きっと二日酔いとか、消化不良とかをおこしにくいんだろう)と、「勝手に」思って飲む。 パッケージのどこにも、効くとは書いていないし、元気になるとも酒に効くとも書いてない、ただ「毎日元気に乾杯して飲んでほしいと思っているだけですよ」って。 CMでも、一言も何かに効くなんてことは言っていない。

お見事ではあります。

まさに、マーケティングの勝利であり、薬よりずっと簡単な流通と買いやすさを確保して、薬より少し安くて買いやすそうで、でも、普通のジュースより少し高い値段で売れるからとっても儲かる。

お見事です。

医薬品であれば効くのか? 食品だからと言って、特定の原料の効果を信じないのか? 特保でもないけど、だからといって効かないってことじゃないだろう。 特にそれが和漢の薬草だったりするとき、厚生労働省の認めたものしか効かないなんていう考え方はおかしいんじゃないか?

わかるんですよ、よくわかるんです。 実際、世の中にそういうのたっくさんありますし、私も勝手に信じているもの、いくつもあります。

でも、なんか、釈然としない私は、まだ手を出せずにいる、臆病者&時代遅れ&頑固者でしょうか? そうなんでしょうね。
いつもの、「ひねくれもののひとりごと」です。

お。