先週はばたばたしておりまして、ブログの更新をさぼってしまいました。
そのうえ、今日の記事は他人の書いた作文を転載するというさぼりよう。
いけませんねぇ。
いくつか「ネタ」はあるんですが、暑さのせいにして先送り。
いけませんねぇ。
はい、本日ご紹介するのは、私の「生徒さん」の作文。 とある企業の若手企画部員に毎月セミナーをさせていただているのですが、その生徒さん達に宿題としてやっていただいた「作文」です。 「難しい言葉を使わずにマーケティングを習得しよう!」という趣旨のセミナーなんですが(と、私が勝手にそう思い込んでいるだけ?)、その宿題ですので、わかりやすく書いていただいてます。
よく書けているからこその転載なんですが、それに加えて、私自身が大好きなブランドの「え~~~~、そんなことしちゃうんだぁ、がっかり!」を分析してくれていて、まさに「私が書きたかったこと」でしたので、ご紹介いたします。
大枚はたいて、「あっさりやめる」以外に出口のないルートを選んでしまった、かつての「ブランディングの教科書」的ブランドの迷走です。
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あのとき、「TSUBAKI」のCMは「衝撃」だった。
“広末涼子・竹内結子・仲間由起恵・観月ありさ”など有名な日本人女優6人が1カットずつ映り、そのバックで国民的アイドルグループと呼ばれるSMAPが「welcome! ようこそ日本へ~」と“女性は美しい”という内容の歌詞の、アップテンポな曲を歌っている…
また、 “髪をなびかせて颯爽と歩く女性の後ろ姿”、暗闇の中から商品が出現し、イメージカラーの“赤”を浮かび上がらせ、“真っ黒な背景に白字で”「日本の女性は、美しい。」とシンプルなコピーが映る。
シンプルなのに、なぜか心地よい。すがすがしさを感じたCMであった。
「TSUBAKI」は、“SMAP”“赤”“複数の女優”など記憶しやすい様々なアイコンを使用し、それを散りばめてCMで魅せている。
また、その表現において、“CMに出てくる女優・女性の楽しそうな表情”や、“活き活きと颯爽と歩く姿”、“髪をなびかせる女性たちの後ろ姿”から、「日本人でよかった」「美しいことは楽しい」が伝わってくる。
それは、「日本人らしい【美しさ】を楽しみたいすべての日本人女性」というターゲットに対して強烈なインパクトを与え、今までは実は少しも思っていなかったかもしれない「自分たちも日本人の女性としての【美しさ】をもっと楽しみたい」という欲・気持ちまでも新たに作り出すようなマーケティング戦略であったから…、CMでの明るく元気な女性の『動』が、軽やかなステップを一緒に踏みたくなるような、気持ちを高ぶらせる(現代風に言うと“あげる”)ことができていたから…だと思う。
そんな「TSUBAKI」が、最近おかしい。
現在の「TSUBAKI」のCMは、映画「flowers」とのタイアップCMが流れている。
悲しげ・はかなげな表情をする“広末涼子・蒼井優・鈴木京香”などの6人の日本人女優が1カットずつ映り、バックにDREAMS COME TRUEが「ねぇ。 どのポケットも~」と切ない女性の気持ちを歌詞にしたバラードが流れ、映画「Flowers」での”古きよき日本の女性の姿”、「日本の美しさは、あなたの中にあります」というナレーター、“走り駆ける姿”が映る。
このCMは、今までと同じ“日本人女性の女優”を複数起用しているが、表現方法が変更されただけではなく、今までのCMには感じられなかった『静』を感じさせる。
「日本の女性は美しい」は、現在も過去も統一して伝えている。
しかし、「美しいことは楽しい」という明確な戦略・WHATが、“今まで”はあった。
資生堂にとっては、表現を変えただけという認識であるのかもしれないが、私には、「古きも新しきも、日本人の女性は美しい」に戦略・WHATを変えてしまったかのように思う。
私であったら、ターゲットをワクワクさせた「美しいことは楽しい。」というWHATは変えない。
WHATを変えてしまうことで、「TSUBAKI」のブランドに対するポジティブな気持ちを変えてしまっていると思う。
「椿」は咲いたら花ごと落ちてしまう。「椿」が2度咲くことはない。「TSUBAKI」が2度咲くことはあるのだろうか。 「日本の女性は、美しい。」そう言い切っているからこそ、日本人の女性として、私たちに強く訴えかけるマーケティング戦略に戻り、2度目の「TSUBAKI」を咲かせてほしい。
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ホント、それにしても残念ですね。 「ひどい」、「やっちゃった・・・」以外の言葉が浮かびません。
早く戻ってきてほしいものです。
お。