私はハーゲンダッツが大好きです。
甘いものはあまり食べませんが、そういう意味ではなく、ブランド・マーケティングの教科書として、大好きです。
今まで、頻繁に「成功例」として、あるいは「ブランドを育てるとは」みたいなお話しをするときに、使わせていただいてきました。
しかし、それも過去形になってしまうかもです。 悲しいことですが。
そして、「ブランドはこうやってダメになっていく」ケース・スタディーとして有名になるかも知れません。 悲しいことですが。
ここ数年とこれからの数年は、あれよあれよとブランドが崩壊していく5年間として記憶される、そんな気がしてなりません。
誹謗中傷のためにこの記事を書いているのではなく、本当に好きなブランドが、なんとか、立ち直ってほしいから書いています。
「何のことやら?」という方のために、最近の広告を2本ほどご紹介しておきましょう。
かつて90年代にブランドを確立したころの広告は、例えばこちら。
おそらくビジネスが停滞しているか下がっているのでしょうね。 真の原因がわからないままに、せめて短期的な売り上げだけでもなんとかしようと、よかれと思って、やっているのでしょう。
私も会社にいたころ、同じような状況をさんざん経験しました。 同じ「ニオイ」がします。
若い新しいユーザーが入ってこない、古くからのユーザーの中で存在感が下がっている。 調査をすると「古臭い」とか、「なんとなく新鮮さがない」とか言われてしまう。 じゃぁ、新しい商品だ、新しい広告だ、新しいイメージだ、ということになる。 あれもこれもやってしまう。
そんな状況ですね。
こういうのを「えとじやマーケティング用語」で「イメチェン」といいます。 「変わりたいのはわかるんだけど、それはちょっと、、、、痛い、、なぁ」ってやつ。
私の苦い経験から「予測」すると、こうして「あたふた」すると、1~2年後に売り上げはガタ落ち。 真っ青です。 せっかくの努力もむなしく、「新しい」というイメージは全く構築されず、「特にイメージはない」というイメージが出来上がる。 (さらに新しさを求めて、大きなコンペとかやってしまって、ますます泥沼、の可能性も。)
では、どうすればいいのか? 残念ながら「これをすればいいんですよ」という解答を持ち合わせていませんが、少なくとも、「鉄則」はあります。
「ブランドの基本に立ち返る」
誰のため、何のため、なぜ、ブランドが存在しているのか、に、立ち戻ることです。 時代やマーケットが変わってしまっても、変えてはならない基本要素を絞り込み、そして、それを愚直に実行する。 古臭いといわれても、基本を変えない。
「古臭い」を「新しい」に変えることはできませんが、「古臭い」を、例えば、「さすが王道」に転換することはできます。
「同じ味でつまらない」を「いつも新しい味の発見があって楽しい」に変えることは困難ですが、「やっぱり最後はここに戻るね」に転換することはできます。
「ハーゲンダッツ = 食べるという行為のすべてが、オトナが耽溺する儀式」
おそらくこれ自体に古いも新しいもないと思うんですがね。
愚直にコツコツとブランドを作る、のはサントリーさんの得意技のはず。 一日も早く、あるべき姿に戻ることを心の底から期待しています。
「悲しいケーススタディー」ではなく、「正しいケーススタディー」であってください。
お。
なんじゃこりゃ~!!!
かなり、ガッカリな感じですね。
私も"大人のindulgence"なCM、好きだったんですが・・・。 もー、既に買いたくなくなってきた!!