言語力NHKなどで盛んに取り上げられている「言語力」、私には、ここで日本国民の言語力の低下について論ずる見識も何もありませんが、最近、マーケティングをやっていくのに必要な力って、実は「言語力=ことばにして説明する力」なんじゃないかと思うことが多くて。 (マーケティングだけじゃないんでしょうが、私が語れるのはそこだけなので。)


ここはぜひいろんな方の意見が欲しいところです。 (コメントでもメールでもTwitterでも、いただけるとうれしいです。)


あ、そもそも言語力って? 正しい定義はわかりませんが、入ってきた情報を整理し、組み立て、言葉にして相手に伝える力、ですか、とても広い定義ですが。

例えば、「日本のいいところを3つあげてください」と聞かれると、すらすら答えられるのに、「あなたが思う日本の良さを説明してください」と、自分の考えを問われると詰まってしまう。 これが「言語力がない・弱い」状態。 頭のなかに答えが浮かんでいるのに、それを言葉にできない。

詳しくはこちら「NHK 追跡A to Z」や「クローズアップ現代」の関連サイトをご覧ください。


これ、特に感情や感性、好き・嫌い・うれしい・悲しい・楽しい・かっこいい・かわいい、などを「説明」するときにさらに難しくなるようですね。 「だって好きなんだもん」じゃ、仕事にはなりません。

携帯の短いメールに慣れている(若い?)人は、告白はすぐできるけど、ラブレターが書けない、んだそうです。 これも言語力不足。

 



マーケティングの根幹をなす概念に「インサイト」というのがあります。 これの定義だけで本が書けちゃいますが、とっても簡単に言うと「そうそう、そうなのよ、それが言いたかったのさ」と人が言うような、そこにあって、でも言葉や映像にされてこなかった真実、みたいなことですね。

このインサイトを見つけ出して言語化する能力がないと、マーケティングはできません。 数字なんて、あとからついてくるもんです。 あるいは数字の中からもインサイトを見つけなければいけません。


商品やサービスが世の中でどう受け入れられるべきなのか、そのビジョンを言葉で表現し、定義づけないとコンセプトも書けなければ、戦略も決められません。

ブランドの存在意義をきっちり正しくて魅力的な言葉に置き換えられないと、ブランド・エクイティーは書けないし、その言葉を再解釈して新しい言葉に置き換えられないと、ブランド・エクイティーは読めません。

かわいいパッケージデザインができそうなんだけど、そのどこがどういいのか、かわいいのか、説明できなければ、上司にも理解してもらえないし、次の方向の指示も出せません。

お客様の「なんとなく好き・嫌い」の裏に潜む真実を言語化しないと、何も前に進みません。
広告にしても、作り手は「何がどうおもしろくて、どのように響くのか」を説明できないと、クライアントは同意してくれませんし、クライアントは「どこが好きなのか・嫌いなのか、なぜそう感じるのか」を説明できないと、クリエーターは立ち尽くしてしまいます。

どんなに消費者調査を重ねても、彼らの感じたこと・思っていることを探り出して言葉にできないと、人気投票みたいなリサーチしかできません。


とまぁ、挙げればきりが無い。

どんな仕事も、というより、複数の人が集まって何かをするときには、必ず必要な能力ですよね。

ただ、マーケティングって、人の感情を扱う仕事なので、特に重要なんじゃないかな、と思っているわけです、特に最近。 こうしてブログを書いて、自分自身その重要さを痛感するようになったのかも知れません。

まぁ、別に就職試験に言語力検定を加えろ、と言いたいわけではないんですよ。


え?

私のブログはいつも話が長い、と。

はい、簡潔に要点を述べるのが下手なんですね、きっと。 これも言語力の無さ?


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