どこの業界も、その業界ならではの難しい専門用語があります。 もちろん、マーケティングにもいやというほどあります。 というか、あるようです。 マーケティングの勉強をしたことがないので、実は私はよくわからないのですが。
便利なんですよね、ああいう難しい言葉って。 実はな~~~んにもしてないし、何も議論してないし、何も考えてないし、実は問題すらよくわかってなくても、専門用語を使うと「仕事している気になる」んです。
「それって、まさにXXX的問題だよね。」
とうフレーズ、XXXに難しそうな言葉を入れると、会議を回せたりします。
くだらない仕事をやり過ごしたいときに、これほど便利な道具はありません。 ぜひ、みなさん、使ってください。 たとえ少し用法が間違っていても、意味がずれていても、どうせ誰も気付きゃしません。
しかし、ことが自分の大事な仕事となると、そうも言っていられません。 責任逃れの海を泳ぎきることが仕事の中間管理職以上の方々はそれでいいのかも知れませんが。
では、どうすれば、この「専門用語でわかったふり」を避けることができるのでしょうか?
とっても、簡単です。
その言葉を「使用禁止」にすればいいんです。 「XXX」という言葉は使用禁止、でも、XXXについては、しっかり話し合う、というルールを作って、簡単な言葉だけで議論すればいいんです。
それをルールにした途端、会議は実のある議論を生む場に変わりますよ。
(ちょっとゲーム感覚もあって楽しいし。)
かつて私が社内の若いマーケッターたちを教育していたころ、よくこのゲームをやりました。
例えば、広告のビッグ・アイディアを、きっちりと把握して、それについての好き嫌い・良し悪しの判断を、自分の上司あるいは広告代理店に伝える、という課題。
ビッグ・アイディア、が、ここではやっかいな専門用語です。
「このペプシの広告のビッグ・アイディアですが、はたして消費者の共感を得られるのか疑問です。」
お前は評論家か?
で、「ビッグ・アイディアという言葉は使用禁止、でも、必ずビッグ・アイディアについて議論すること」というルールを導入します。 最初、みんな四苦八苦するんですが、やがて、こういうふうに語れるようになります。
「このペプシの広告の中にある、『なんとなく疲れてだらっとしているときに、すぐにあらわれて、シュワッと助けてくれる』というアイディアは、ちょっと疲れていたりやる気が出なかったりしたときに飲む炭酸飲料の効果を端的に語っているので、お客さまも『そうそう、そうなんだよねぇ』と感じてくれると、私は思います。」
はい、よくできました。 論点がはっきりしましたね。
とは、なかなかいかないかも知れませんが、「専門用語を使って仕事した気になる」病からは少し逃れられると思いますよ。
さらに、上級編のアドバイスは、あなた自身が専門用語を忘れることです、使わないようにすることです。 そして、使った人に、「すいません、わかるように話してください」と言うことですね。
お。
とってもいいお話です!
専門用語を使わない。
これって、すべての業界に通じることですよね。特にITとか(笑)。わかんないよ〜。つーか、チンプンカンプン。
専門用語そのものが世の中の無駄な気さえします。