愚痴、ではなく、ちょっと考え直してみるきっかけ、としてね。

 

こうして日本企業のお手伝いをさせていただくようになって、10年以上が経ちました。 本来(?)、弊社は「ブランドマーケティング」のコンサルを主たる業務としているわけですが、実は、「それってマーケティングの仕事だっけ?」という課題に取り組まざるを得ない状況が多発頻出連発噴出します。

経営そのものの問題だったり、人事教育に関する問題だったり、システムの問題だったり、なんと、私が最も苦手とする財務関連の問題だったり! そういえば、先日も3日間ぶっ続けのSKU削減の仕分け会議を仕切ったりしましたか・・・。

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そこで、こうした「頻発するマーケティング以前の問題」をちょっとリストアップしてみようかな、と。 さて、あなたのビジネス・会社はいくつ当てはまりますかね。

(ストレートに割り切って書いてますので、こんなにひどくはない、かも?)

かなり順不同で、厳選して15~6項目ほど。 どうぞ。

 

ü  ビジョンがない: 会社に、経営者にビジョンがない。 経営者はビジョンを語っているのに社員に聞こえていない。 または、聞こえているが、(また社長が夢みたいなこと言ってるよ)とまともに取り合わない。 なので、昨対・対予算でしかものを計れない、考えられない。

ü  年表すら作れない: ビジネスの施策として、いつ何をしたのか、結果のレビューが残っていないどころか、何をしたのかの記録すらない(都合の悪いことはなかったことにされてしまっている)。

ü  データの持ち腐れ: 社内に貴重なデータ・経験があるのに、何もしないで、「欲しいデータがない」と、ないものねだり。 そのときの都合のいい見方でしか見ない。 たまにつまみ食いで利用しても、ことが終わったらまた見なくなる。 (IT化に金がかかるので、ほったらかしにしてある。 「あ、紙で残ってるので、手計算すれば出ますよ」って昭和? もとい、平成?)

ü  コミュニケーション=仲良し・雑談・あいさつ・お願い: 上司以外とのビジネスコミュニケーションがない・苦手。 部署間のコミュニケーションは、雑談、あいさつ、おうかがい、根回し、お願い、で、説得・開発・決定・責任・アカウンタビリティではない。

ü  説得が人情・人脈頼み: 説得とは、熱く語るか、強い言葉で堂々と語ること、または「うまく」話を持っていくこと。 まさか、「説得」とはビジネスに関する理解やデータに基づいた自分の意見・提言について、議論をしたうえで、リスクの大小とその結果に対する合意を形成する作業だとは思いもよらない。

ü  売上・コスト・利益をよく知らない: それは管理部の仕事でしょ、とまではいかなくても、売上と粗利しか知らない。 中身に興味がない・知る権限がない・実はちゃんと把握されていない。 (粗利って・・・・・。)

ü  「マーケティング」がない: マーケティング施策を実施する部署、製品やサービスを開発する部署、販促をやる部署、はあっても、ビジョン・目標・戦略・予算を開発・管理する部署がない。 ない・・・・。 ほんとにない・・・・・・。

ü  いまだに「宣伝部」がある: CMの企画・制作、メディアの購買、オンラインマーケ、などが、ばらばらの部署で、しかも、みんなあんまりマーケティング部の言うことを聞かなかったり(上司が違ってたりする)。

ü  部署の仕事が決まってない: 部署はたくさんあって、みなさん忙しそうにしているけど、その部署のミッションや責任・役割が明確でない(ので、決定権がないはずのひとが、持ってないはずの拒否権を振り回す)。

ü  どこもかしこもKPI: でも、KPIだけは、決まってたりして、「やることはやったからうちのせいじゃないからね」が横行。 しかも、間違ったKPIが設定されてることがほとんど。 さらにKPIがすっかり目的化してたりする。

ü  「社長」の言うとおりにやる: 社長に言われたことは、ともかくやる。 そのままやる。 ほかの方法がないか、とかは、考えないように気を付けている。 社長の言葉が施策・行動じゃなくて、目的・戦略ベースだと、とたんに「???」となる。 (心掛け、思想、哲学、原則論だと、「ま、いいか」となる。)

ü  「社長」の言うことはやらない: 「社長はどうせ責任取らないんだから」と社長の決定や意見は軽く扱われる。 でも、おこられるから、できない理由は探しておく。 で、それはそれとして、別のことをやる。 (これは、わりと最近見つけたインサイトです、みなさん、口ではそういわないので・・・。) ちゃんと考えるひとは「まじめだね~」とか言われたりする。

ü  優秀な人材はマーケティング部に来ない: 優秀な人材は、営業や管理系に行く。 マーケティングは、「内勤向き」のひと(何それ?)と、開発系であぶれたひとが来る部署・・・。 いえいえ、あなたのことではありませんよ、一般論です。

ü  優秀な人材の定義がない: あいつはできる、彼女はすごい、はよく聞くけど、どこがどうすごいのか説明できるひとがいない。 なので、本人もなぜ・どこが評価されてるのかわからない、自分が何ができるリーダーなのか知らない・説明できない。

ü  経験やノウハウが蓄積しない: やったことの振り返りがしくみ化されていないので、経験・ノウハウが残らない。 ので、別のブランドや別の担当者になると、また一からやり直し(Re-invent the wheel)だったり、同じ失敗をしてしまう。 それ、前にやったし、だめだったじゃん。

ü  失敗や成功の要因を知らない: なぜ売れたのか、なぜうまくいかなかったのか、知らないし、わかっても残さない。 うまくいくと、同じことを繰り返し、うまくいかなくなると、やめる(だけ)。

ü  知見がひとに溜まる: 属人的っていうことばで片付けられるけど、そうなってしまうしくみになっている。 部署や会社が知見を共有したり、経験やノウハウを蓄積したりできない。 そのひとがいなくなったら、おしまい。 (弊社は仕事がなくならない、やっぽ~~~?)

 

どうでしょう?

 

あ、もうひとつあった。

ü  「社会の変化に対応」しすぎ: 世の中の変化に対応することが目的化してしまって、自分たちの顧客・市場で起きていない変化に「対応」してしまう。 「これからはXXの時代だ!」って、不必要なことをやる、しかも、すごくやる・・・・そこにお客さんはいない。

 

そんなバカな、と思われることが多いでしょうか?

でも、私たちがお会いする、わりとちゃんと大きな企業でも、こうしたことに頻繁に出会います。

 

しかも、「以前の問題」であっても、なんとかしないとビジネスが改善しないので、手をつけざるを得ないことが多々あって、

「(あれ、これってうちの仕事だっけ? ま、仕方ないよね、やらないわけにいかないから)」

と、今日も仕分け、明日はリーダーシップ研修、明後日は他部署との交渉、来週は社長に熱意を伝えに。

 

お。