えとじやブログ - ひねくれマーケッターのひとりごと

ひねくれマーケッターのひとりごと

出張で現地に足を運ぶことも難しい今日この頃。 在宅勤務も進みつつあり、遠隔でコミュニケーションをとりながら仕事をする機会が増えたのではないでしょうか。

 

遠隔だと、今までのように、“あれどう思いますか?”とか、“これでいいですか?”などと気軽に話をすることもままなりません。 もちろん、電話やテレビ会議で話すことはできますが、参加者全員のスケジュールを合わせてつなげるもの一苦労。 

そんな時、メールを使って議論をしたり合意をとったりできれば、仕事はもっとはかどるはず。 

 

でもこれが意外に難しい。

実際、思ったように進めることができずに苦戦していませんか?

例えば、

  • ・メールをしても相手から一向に返事がこない。(返事にそんなに時間のかかる内容ではないはずなのに…)。
    ・3つ質問したのに、返ってきた答えは1つだけ。
    ・提案してもそれに対する意見や質問はなく、ただ「わかりました」とだけ返ってくる。(ありがとうございました、だけのときも…)
    ・なぜか11答形式。 会議の日程や参加者を決めるだけなのに、メールを何往復もしないといけない。
    ・1つのスレッド(タイトル)に別案件も入ってきて、どれがどれかわからなくなってしまう。

さらには、

  • ・みんなで意見交換をしたいので複数人にメールをすると、直後に一人ひとりから電話がかかってくる。

また、

  • ・情報を知る必要のある人を㏄に入れてメールをしているのに、自分だけに返事が来る。
    ・逆に、驚くほど㏄リストが増えて戻ってくる。

などなど。

挙げだすときりがありませんが、みなさんもこういったもどかしい経験をされているのではないかと思います。

 

普段メールは、“通達”などの一方通行のコミュニケーション、もしくは、11での指示や連絡事項に使うことが多い(今までは多かった)のかもしれません。 あるいは、一応見ておいてくださいね、くらいのもの。

だから、双方向、しかも複数人で意見交換をしたり何かを決めたりとなると、どうしてもハードルが高くなってしまうのかも。

どうしたらメールを使って効率的に仕事を進められるのか・・・

 
花水木マーケティングの話題でもなければ、ビジネスメールの専門家でも何でもないですし、今まで、そういうものを教わったこともないのですが、経験上、思うところをいくつかあげてみます。

ちなみに、えとじやメンバーは、前々からメールで仕事を進めることにはかなり慣れっこ。 
クライアントや調査会社さんと、メールでやり取りさせていただくことも多いですし、以前の勤め先では、仕事仲間がいろんな国にいるので、メールで仕事ができなければ始まらない環境だったおかげもあります。 

弊社内のコミュニケーションも主にメール(私は在宅勤務にも関わらず、この6年間、店主と電話をした記憶がないくらい、ほぼメールです)。 

 

 

では、やっている人には当たり前、でも、今まで意識していなかった人には是非試してみて欲しいちょっとしたコツを、いくつか。

 

まずは、

1.メールの用件を明確にする

受け取った人に何をしてもらいたいのか、何のためにそのメールを書くのかを意識します。 

意見やアドバイスが欲しいのか、相手に何かを決めて欲しいのか、合意が欲しいのか。 または、指示をしてその通りに動いてもらいたいのか、単に情報共有なので返事は不要なのか、などなど。

基本的なことですが大事です。 決めてから書き始めるクセをつけるとよいでしょう。

 

例えば、

「件名:予算の承認をお願いします」

「(書き出し)XX様、

YYプロジェクトの予算に関して、以下の3点について承認をいただきたくメールしました。」

という風に。

用件に沿った、メールのタイトルや書きだしにすると、受け取った人は何をすればよいかわかりやすくなる、ので、返信しやすくなるはずです。

 

なお、ありがちな「メールのやりとりが、本来の意図と違うスレッドになる・もともとの話題以外の話題になる」ケースですが、それも必要・重要なものの場合は、別のタイトルをつけて、別のスレッドにして、分離させましょう。

 

次に、

2.誰に送るのが一番効果的か(仕事が進むか)を考える

一人に送る方がよい場合もあれば、㏄を入れる方がよい場合も。 状況によって様々です。

電話と違い、複数人同時に意見や情報を共有できるので、必要に応じて効果的に使えます。 ただし,“念のため”と言って誰でも彼でも含めると、不要なメールを増やしてしまうので、必要十分かどうかには気を付けてください。

㏄リストはそのままで返信してほしい時は、「ご返信の際は、全員へ返信でお願いします」とひと言添えればより親切かもしれません。

 

最後に、
3.文面は提案書を書く感覚で(特に合意が必要な場合)

提案書と言っても詳細なものではなく、ごく簡単な簡潔なものを。 

問題・課題や現状、取り得る選択肢、合意をとりたい事柄、といった具合です。 いつまでに返事が欲しいかも必須です。

 

例えば、

「○○の納期が1週間遅れる件について、今週中に対策が必要です。

以下2案のうち、①で進めたいと思いますがよろしいですか。 木曜日までにお返事ください。

案① 納品日を分けて、半量を期日通り、残りを10日遅れで納品する。

案② 人員を増やして全量期日通りに納品する。ただし、追加費用xx万円。」

という風に。

日本企業間でのビジネスメールのお作法としては失礼にあたるのかもしれませんが、私はわかりやすくするために箇条書きをよく使います。

 

 

わかりやすいメールを書くことは、自分の頭の整理にもなります(書くことで論点や選択肢がより一層整理されるってことありますよね)。 反対に、わかりやすいメールが書けないということは、まだ十分に整理できていないという証拠。

返事をする方も、自分の意見がはっきりしないことには返信できません。

 

そう考えると、メールでのビジネスコミュニケーションって結構シビアなのかもしれません。

会議だと、長い時間議論をしても結局何が決まったのかわからないというのもよくあります。 会話だったら、(いい意味でも悪い意味でも?)言葉を濁してうやむやにしたり、あいまいな返事をしたり、無言で考え込んでも成り立ちますが、メールだと双方、そういうわけにはいきませんよね。 記録にも残りますし。 

 

 

ちなみに、なかなか返事が返ってこないという問題。

返事をする側だけでなく、送る側の責任も少なからずあるのではないかと思います。

長い・要点がわかりにくい・自分宛てに書かれているのか曖昧なメールには、返事がしにくいですもんね。 

特に、これから在宅勤務が進むと1日に受け取るメールの数が増えてきます。 その時に、スルーされないためにも、タイトルや書きだしをわかりやすくする、何をしてほしいかはっきり伝える、期限を決めるなどの工夫は不可欠です。 また、普段からむやみやたらと㏄を入れていると、いざという時に(大事なメールだと気づいてもらえず)無視されかねないので要注意。

一方で、返事をする側は、意見や状況がはっきりするまで返事を保留する人もいますが、私は、“まだ結論が出ていない・考え中・調査中”なので、“いついつまでにはお返事します”と、ひとまず状況を知らせておく方が良いのではないかと思います。 メール上の無言は無視とも捉えられかねないので。

 

 

自分の考えや、やってほしいことをいつもよりストレートに伝え、メールを通して人を動かす。 それに対して、自分の意見や賛否を相手にわかりやすく言葉にして返す。 

メールで仕事をするということは、単にツールの置き換えではなく、今までのコミュニケーションスタイルを変えるということなのかも。 

そういう気持ちで取り組むと、少しはメールでのやり取りがスムーズになるのではないでしょうか。 むしろ、メールのほうが仕事を進めやすい、ということもあるはずです。

 

メールをうまく使うことができれば、仕事はもっとはかどるはず。 しかも、頭が整理できて、コミュニケーションスタイルの幅を広げられるとなれば、遠隔になってしまったこの機会に活用しない手はないですね。

 

 

片や、対面でのコミュニケーション。 このまま在宅勤務が定着したら、「会って話す」ということが今までよりもずっと貴重になってきます。 とりあえず話す、だらだら話す、話したけど何も決まらない、といったことに費やしている時間はなくなるかもしれません。

ニューノーマルでは、対面でのコミュニケーションのあり様も変わるのではないかと思います。 (店主は、たまにそういう講義みたいなのもしているようですし、)この話は、またいずれ。

 

和。

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(示し合わせたわけではないのですが、お題が先日のK。の記事とかぶってしまいました・・・ それだけ、えとじや的には「あるある」のテーマなのですが、)

 

「調査さえすれば答えが出る」と期待をして見切り発車してしまう前にやってみること。というお話です。 

今回は、主に定量に関して。(定性調査に関しては、安心して調査ができるようになった頃にアップする予定です)

K。の記事とは切り口が違う部分もあるので、よければこちらも読んでみてください。

 

 

 ~~~~~~

新規プロジェクトや商品開発で行き詰った時に、“道が開けるかもしれないし、ちょっとアンケート調査でもやってみようか。” という声をよく耳にします。 

でも、残念ながら、多くの場合それは解決法にはなりません。

“だって、アンケート調査は、インタビュー調査と違ってビシッと答えが出るんじゃないの?”と思われるかもしれません。 でも、出るのは数字であって答えではないのです。 

 

例えば、“この商品が売り出されたら買いたいですか?”と聞いて、45%が「はい」と答えた場合、これが良いのか悪いのか、

“このサービスを利用したいと思いますか?”と聞いて、75%が「はい」と答えた場合、それが何を意味するのか・・・、
これだけではわかりません。 

このような評価形式の調査は、ベンチマーク(評価の基準)とセットで初めて意味があります。 

もしも、同じ条件でとった競合のデータがある、または、過去に成功した商品のデータベースがあれば、それらをベンチマークにして成功の可能性を判断したり、商品・サービスの改善につなげたりすることは可能です。 
でも、そういったデータベースを作るのはお金も時間もかかります。 おそらく、大企業でないと難しいでしょう。 

 

ベンチマークがないのに数字だけ出てしまうと、余計に惑いますし、最悪の場合、間違った方向に進んでしまう可能性だってあります(しかも、評価形式の調査は、商品やサービスの案がある程度固まっていないと始められない)。 

だから、困ったからといって、“とりあえず、調査やってみたらいいじゃない”というのは、おすすめできません。 おそらく、期待したような「答え」は出ないと思うので。

(しかも、そう言われると現場の担当者は、“えっ!急に調査って、何をすればいいの??”とプチパニックに。 そういった相談者もたまにいらっしゃいます。)

 

 

 

じゃあ、どうすればよいか。 

クライアントさんのお話を聞いていると、困っているのは、たいてい開発の初期段階。 その段階では、思いついたアイデアをいきなり調査にかけるよりは、まずは戦略や方向性を固めていくことが先決です。 どんな人に、どんなイメージで、どんなベネフィットを提供したいのか、ポジショニングはどうするか・・・などを整理していきます。 

そのためには、「現状把握」から(これ、意外に手薄になっていませんか?)。 
関連市場や消費者、自社、競合を理解するところから始めます。 

 

青もみじ②
ラッキーなことに、そういった市場分析のための情報(いわゆる2次データ)は、わざわざ調査をしなくても手に入るものがたくさんあります。

 





例えば、

 ・関連カテゴリーの市場規模

十分なビジネスサイズがあるのか、拡大しているのか縮小気味なのか。 業種にもよりますが、政府や業界が出している統計が参考になります。 

 ・消費者の使用パターン

年間消費量や消費額、使用頻度、単価とそのトレンド。 年齢や世帯ごとに違いがあるのか、どんな人がよく使用しているのか、など。 上記の統計で見ることができます。 

使用理由や購入理由など、もう少し詳しく知りたければ、調査会社や企業が公開・販売しているデータを探してみるのもよいでしょう。 

 ・関連商品やサービス

競合しそうなもの、もしくは、お手本・ベンチマークにしたい商品やサービスの情報はインターネットを活用して収集できます。 ホームページを見ると、商品のコンセプトやスペックだけではなく、その会社の戦略も類推できます。 プレスリリースやIRもよい情報源に。

 

こういった現状把握をしながら、ポテンシャルの高い市場やターゲットを見つけていくわけですが、コツとしては、初めから対象カテゴリーや競合商品をピンポイントに絞らずに、まずは広くとらえること。 

普段目にするカテゴリー分けは、業界や企業側の都合で分けられているものがほとんど。 消費者にとって代替可能なものとは何かと考えることを忘れないように。 

視野を広くしておかないと、うっかり大事な部分を見逃してしまうかもしれません。 

 

 

そして、何よりも役に立つのが、

 ・(直販の場合、自社で持っている)販売データ

既存品の売れ行きを把握することは新規開発にも有用です。 ヒントがたくさん隠れています。 

メーカー勤務だった時は、手に入れたくても入らない、喉から手が出るほど欲しかったものなので、販売データを自由に使えるというのはうらやましい限り。 だからこそ、それを十分に使っていない会社が多いことに驚きます(本当にもったいない!!)

 

さらに、顧客カルテがあれば、自社が今どんなお客さんに支えられているかもわかります。 ロイヤルユーザーがどのくらいいるのか、それはどんな人なのか、どこにいるのか、どんな商品がお気に入りなのか。 また同時に、アプローチはできているのにリピートしてもらえなかったお客さんについてもわかります。 そうした分析から、自社の強みや得手・不得手を知ると、今後の方向性が見えてきます。

 

 

最後に、もう一つリストに加えるとすると、
 ・すでに手持ちのアンケート結果

使用者に満足度アンケートはとっているけど、集計したことがない(クレームに関わるコメント欄だけはいつも読んでいるけれど…)と言う話はよく聞きます。 まずはそれをきちんと見てみるというのも手ですね。



わざわざ新たな調査をしなくても得られる情報はたくさんあります。

せっかくヒントとなる大事な原石を握っているんですから、宝の持ち腐れにならないように、まずは磨いてみてください。 

いい石を見つける目と磨くスキル、あと、多少の忍耐は必要ですが。 どこかに答えが転がっていないかなぁ~と他所を探したり、漠然と調査をしたりするよりも確実です。 


困った時はアンケート調査、ではなく、まずは市場・消費者理解から。

「うちはやっているよ」という方も、もしかしたらもう少しできることがあるかもしれません。 通常業務が難しいこの時期だからこそ、まとまった時間で、あらためて見直してみるのも今後のための良い投資かもしれませんね。

 

 

和。

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  • えとじや店主

    えとじや店主。マーケティング一筋30年。世の中の様々な問題を「ブランド・マーケティング」で解決する腕利きコンサルになるのが夢。なかなか、そうはいきませんが。 ともかく、マーケティングに関わることはなんでも相談に乗ります。スノーボードと音楽が趣味ですが、「うんちく」と「説教」も大好きです。

  • えとじや番頭

    えとじや番頭。消費者リサーチ歴18年。市場や消費者を理解することで、ブランドが強くなり商品が売れる、という経験を何度も味わってきました。 調査をどうやったらいいのかわからない、結果を見てもどう使っていいかわからない、そんなときにはぜひご相談ください。

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    えとじや店員。兼フードコーディネーター・レシパー。兼マーケティングができる中小企業診断士。どんなことでもたいていやっているうちに面白味を見つけてしまい、ハマるタイプです。 リサーチ、マーケティング、料理など、それを繰り返して今に至ります。今度はえとじやでどんな面白いことが経験できるのか、わくわくしています。

  • えとじやお針子

    えとじや店員。お抱え絵師(デザイナー)。パッケージデザイナーとしてメーカーで約7年働きました。マーケティングやリサーチはまだまだ初心者。デザインの力を使ってみんながニコニコできるようなものを作れたら嬉しいです。アニメ、漫画、手芸、落書き、クレイアニメーション…、ちまちま何かを作るのが好きですが、大雑把で不器用…。細やかさを欲しています。

  • えとじやお針子

    えとじやお針子(ライター)。マーケターを5年したあと、マーケティング博士号取得、その後、リテールサービス企業のマーケ部長に。なんと、えとじやクライアント&えとじやブログのライター。 理屈も現実もそのはざまも経験、マーケティングの仕事ってなんなの?どうしたらいいの?という悩みにはいちばん共感できる立場かも。

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