えとじやブログ - ひねくれマーケッターのひとりごと

ひねくれマーケッターのひとりごと

「極意の」とか大きなタイトルで書き始めちゃいましたが、さらにFacebookで音部先生に投稿をシェアされてしまってしていただいて、続きから逃げられなくなってしまいを書く励みになりました。 がんばります。 (45回に分けて書くことになりそうです。)

 

さて、最初の記事では、「ひとを捉える」と題して、「私はこうやって整理してますよ」というのをご紹介しました。

簡単にまとめると:

ひとは「感覚」と「こころ」と「あたま」と「たましい」からできていて、でも、外から見えるのは「ふるまい」だけだと捉えたうえで(Senses=五感、Heart=情緒・右脳、Mind=理屈・左脳、Soul=主義・価値観・こだわり、Behavior=行動・表現、と言い換え可)、

当該商品・サービスの領域において、ひとは、どのように感じ、想い、考え、判断し、行動しているのか、を、把握する、あるいは、考える、想像してみる=つまり「深読み」する

という感じでしょうか。

 

で、今回はその、もうちょっと先にある「じゃ、どうやって捉えるの?」みたいな話を、調査を例に書いてみたいと思います。 (どうして弊社が定性調査、それも特に訪問調査が好きか、というのもご理解いただけるかと。)

 

極意2中村

 

~ひとを「捉える」ことの限界と可能性を知っておく~

 

もう少しぶっちゃけて言うと、調査でわかること、わからないこと、考えて深読みすべきこと、ということになるでしょうか。 ホントは調査だけじゃないんですが、わかりやすいと思うので、調査で話を進めてみます。

当たり前の話、調査はそのやり方によって、何がわかるかが違うということなんですが、調査そのものだけでなく、それを利用し、分析・理解するマーケター自身の考え方・行動・能力=深読みできる力に関わることなんだと思います。

 

 

とても大事な、まず、肝に銘じておかないといけないことは、

「ひとが話すこと(Behaviorの一部)は、そのひとのあたま(Mind=理解・解釈)を通って選択され加工され発信されたものである」

ということです。

つまり、そのひとの、ほんの一部に過ぎないのです。

 

ことばとは、様々な情報(理屈だけでなく、感覚・感情・価値・記憶などを含む)をMindが翻訳したものを外に発信(Behavior)したもの。

しかも、そのひとの意志によって。

なので、「感覚や感情に関することば」というのは、聞く・読むことができますが、それは決して感覚・感情そのものではない。

だから「言ってることとやってることが違う」のは、「おかしい」のではなく、むしろ「当たり前」と考えるべきなのかも知れません。

 

えとじやフレームワークひと

例えば、調査でよく出会う「『いいですね、買おうと思います』と答えても、買ってくれない」。

これには、様々な可能性があります。 あげるとキリがないんですが、例えばをいくつか。

インタビューやアンケートを受けた時点、その状況(家だったり調査会場だったり)においては「悪くないなぁ」くらいは思っているが、店頭やネット通販の場面ではなく、お金を支払うかどうかの判断を迫られていないのでそう答えていても、実際には競合との比較や、価格に見合う価値があるかどうかなどの判断において、「買う」をはじいてしまう「何か」がある、という場合。 (状況だけではない「何か」が大事。)

それにしても、「絶対欲しい~~~!!」ってHeartが動いてくれていたら、もう少しPositiveな反応・ことばが出てきたかも知れないですね。

いや、実は、さほどいいとは思っていない。 しかし、調査対象者さんって、やさしい人がほとんど。 なので、なるべく「いいですね」って答えてあげたいわけですよ。

調査における「いいですね」は、子どもが描いた絵を見たオトナが「あら上手ね~」って言ってしまうのと同じ・・・と思っておいたほうがいい。

(全く同じ動機で、さほど重要だと思っていなくても、たくさん文句をつけてくれる対象者さんも、同じくたくさんいらっしゃいます。 せっかく調査してるんだから、たくさん指摘してあげなきゃ、と。)

 

つまり、調査、特にアンケート調査のようなもので、知ることができるのは、こうして生み出された「ことば」=対象者が選択した判断だけなんです。 (あ、もちろん、属性とかは、わかりますが。)

 

 

んじゃぁ、どうすればいいのよ!?

 

ひとつには、ともかくたくさんやる、という解決法があります。 100人中何人が「買いたい」と答えたかを、ともかく大量にテストしてデータベース化していけば、やがて、「このカテゴリで、この調査手法で、これくらいの点数が取れたら、そこそこ売れるかも」という結果を得られるようになります。 が、しかし、それも「かも」です。 お金と時間と労力がかかって、しかも最初のうちは、テストするだけで結果は使えないし。 データベースを持っている調査会社さんにお願いする方法もありますが、これもお金がかかる。 そして、私自身何度も何度も経験していますが、いい結果を出したからといって、実際に売れるとは限らない。 20個あるアイディアを3~5つに絞るみたいなことには向いていますが。

ま、調査大好き大企業向きの解決法ですね。

 

 

「どうすればいいのか」に対する答え、精神論みたいに聞こえるといやなんですが、「ことばとは、そのひとの意志のもとに、あたま(Mind)で生み出され、選択され、発信された判断(Behavior)だけだ、と知ること」。 いつもそれを前提において考えるということ。

そして、そのうえで、

 

    察する力=深読みする力を身に着けて、ことばだけに頼らなくても判断できるようになること、そうすることで、

    得るべき反応が得られるように正しい質問・観察ができるようになること

 

の繰り返し。

 

    (さらに、えとじや全員が、ここで何度も何度も何度も書いてますが、調査結果とは、あなたが考えるためのヒントであって答えではない、と知っておくこと、ですかね。)

 

 

アンケート調査などの定量調査で得られる反応は、(特殊な手法を除けば)ほぼ「ことば」の領域です。

なので、表面的な、本音からはほど遠い結果だけで終わらない、効果的な定量調査をするためには、正しい質問ができなければならない。

定量調査を設計するためには、いい仮説が立てられていないといけない。

ちゃんとした仮説を立てて、正しい質問を組み立てるためには、そのひとたちの、あたま・Mind以外の部分を含めて理解していなければならない。

顕在しているニーズの順番をつけるだけでいいなら、そこまでしなくてもいいかも知れませんが、いまどき、そんな調査でわかることをやっても、お客さんには「で?」って言われるだけですから、彼らの経験や感覚、感情、ひいてはこだわりや価値観を知りたい。 そうしたもので、ターゲットを絞り、理解したい。

だからまずは定性調査的な理解が必須、なんですね。

 

でも、定性調査で、ひたすら対象者の発言をメモっているひと、すぐにやめましょう。 そんなことにパワーを使うのではなく、みなさんの表情やしぐさ、身に着けているものを観察してください。

「いいですね」が、どういうニュアンスの「いいですね」なのか、きちんと探りましょう。

感情は、しぐさや表情に出ることが少なくありません。

グループの中で、ひとりだけ違う話題にずれていってしまう人がいたら、(なんだこのひと、他人の話聞いてないじゃん、いけてない対象者だなぁ)じゃなくて、もしかしたらそこに彼のたましい(主義や価値観)に触れる何かがあったのかも知れません。

 

訪問調査やお買い物同行調査などの観察系の調査が優れているのは、ことばにならない・しない部分=感覚や感情、価値観みたいなことに触れられるチャンスが、会場での調査より圧倒的に多いからです。 手間はかかりますが、手間の幾倍もの情報を与えてくれます。

持っている洋服、冷蔵庫の中、玄関の様子、靴の数、壁に貼られたカレンダーや写真、隣の部屋の片づけ具合、食卓の椅子の配置、テレビやパソコンの置き場所、ティッシュにカバーがしてあるか、カセットコンロが取り出しやすい場所にあるか、洗面所の棚、トイレの窓の造花・・・・・・・。

何を見ながら話すのか、楽しそうに話すのか、生ごみをどう処理するのか、どこを見て歩いているか、どの順番にお店の棚を回るのか、パッケージの裏を見る買い物と見ない買い物、でっかいディスプレイがあっても「売ってませんね」と通り過ぎる、これはドラッグで買うけどあれはスーパーで買う、値段を気にするって言っててもコンビニで買ってしまう・・・・。

深読みのタネだらけです。

 

また、会場での調査であっても、ことばにされること以外に触れるチャンスを作ってください。

一番のお勧めは、それが許される場合には、あなたも調査会場に入って、同席することです。 生で感じられますから。

質問するだけではなく、写真や絵を使って説明してもらうようにすると、気分とか感情が出やすくなります。

それが調査に関連しそうで、許してもらえるなら、カバンやポケットの中身を出してもらうのは、とても参考になります。 (あるいは、スマホの中身をちょっと見せてもらう。)

 

もうひとつ、定性・定量に関わらず注意すべき点は、「知りたいこと」をそのまま質問にしてしまわないこと。

知りたいことを知るために、一番効果的な質問(群)は何かを考える。

商品の機能が理解しやすくて、十分に魅力的かを知りたいから、「わかりますか?」、「買いたいですか?」と聞いてしまう。 パッケージデザインが好きかどうかを知りたいから、「お好きですか?」と聞いてしまいたくなる。

しかし、自分が対象者の立場になって考えたらすぐわかると思いますが、ほとんどのひとにとっては(別に、どうでもいい)か(そんなの聞かれても困る)か(ま、使いやすければそれでいいんじゃないの?)なわけです。 たとえ実際には、デザインの好き嫌いが購入を左右していても、です。

だから彼女たちは「使ってみた友達の評判を聞いてから、近くで売っていて、手ごろな値段で、今使っているものがちょうど切れていたら、買うかもしれません」と答える。

(実際に調査対象者さんから、調査後にこっそり教えてもらったことがあるんですが、彼女は、

「そんなの、プロが考えればいいでしょ? なんで、素人の私に聞くんですかね。 自信がないのか、「私たちが良いっていいました」っていいたいのかな? サラリーマンって大変ですね。」

とおっしゃってましたよ。)

そんなことを聞くよりも、せめて例えば「これを見てどんなことを想像しますか?」とか「何を連想しますか?」とか聞いたほういい。 そうすると、少しは感覚や感情に近い何かが出てくる可能性が高まります。

 

 

話が調査に偏ってしまいましたが、こうしたことはマーケティングの戦略やコンセプト、コミュニケーション施策などでも同じです。

 

最初に買った理由として記憶に残っているのは、「しわを改善してくれる(かもしれない)から」だった化粧品、つまり、Mindが価格に見合う、試してみるべきと判断したこと。

その化粧品が気に入っている理由は、「使い心地・使用感がいい」から、つまり、Senses・感覚。 別にしわが減ってきているかどうかではない・・・。

そして使い続ける理由は、「(またいろいろ考えたり試したりするの、大変だし、面倒だし、しばらくこれでいいや)」というHeart・感情。 使い続けることでしわが改善されるからに違いないと信じているからではない。 そして、「化粧品以上に大切なことが、今の私にはある」というようなSoul・こだわりだったり。

とかね。

 

 

「ひとが話すことは、そのひとのあたまを通って選択され加工され発信されたものである」

質問して答えてもらえることは、結局、ことばというBehavior・ふるまいに過ぎない。

正しい質問をしない限り、Mind・あたま以外の部分を引き出すことはできない。

それでも、本人が意識的に選んだことばしか出てこない。

これが「捉えることの限界」。

 

しかし、観察すれば、ことばにならない・なっていない・しない部分を察することはできるし、(思わず)ことばにしてしまうような質問ができれば、表出しているMind部分以外のことがわかる、見えてくる。

結局は、あなたも調査対象者~消費者・生活者も「ひと」なんだから、ひととひと、と考えれば、わかってあげられること、わかってもらえることは、Behaviorとしてのことばよりも、もっともっと多い。

「察する力=深読みする力を身に着ければ、ことばだけに頼らなくても判断できるようになる」

それが「捉えられることの可能性」です。

 

だからマーケティングの仕事は楽しい、やめられない。

えとじやフレームワーク捉える
 

なんだか長くなってしまいました・・・。

次は、ひとをとりまく環境=広義のカテゴリについての考察(の予定)です。

 

お。

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いやいや「極意」というほどのことではないんです。 ただ、「私はいつもこのように考えています」というフレームワークみたいなものを、ちょこちょこ触れてはきたものの、そういえば、ちゃんとまとめて書いたことはなかったので、書いてみることにしただけです。

おもしろいのか、それはホントに正しいのか、あらゆる場面で使えるものなのか、ユニークなものなのか、などは、この際気にせず。

だって、私はこれで(立派に・・・?)やれてるんで・・・。

 

最終的には「ブランドとは『ひと』である」ということにたどり着くお話なんですが、それはもう少し先の話、で、まずは、私が(ブランド)マーケティングのもう一方の当事者、ひと(消費者・お客様・生活者)についての理解をどう整理しているか、から始めます。

(全部で何話くらいになるのか、まだ見えてませんが、いくつかに分けて書いていきます。)

 

フレームひと

 

~「ひと」を捉える・整理して理解してみる~

 

ひとというのは、やっかいな生き物です。

マーケティングにとって(も)。

だからおもしろいんですが、ともかくやっかいです。

 

「いいですね、買おうと思います」と答えても、買ってくれない。

「まぁまぁですよね」と言いながら、何年も愛用していたりする。

何年も愛用している商品の名前やメーカーを間違って覚えている。

除菌しますって言うと、「うそ~」と答えるので、すごく除菌しますと言うと、「それは身体に悪そうだ、きっときつい漂白剤とか入ってるに違いない」とおっしゃるので、漂白剤は入っていませんって言ったら、「あら、やっぱり漂白剤が入っているのね、きっと!」と・・・。

買う気満々なのに、製品とかデザインとかに、片っ端から文句つける。

CM流してないのに、買ったきっかけを聞くと、「TVCMを見たから」と答える。

流行ってたのでAを買ったひとに、今、Bが流行ってますよ、と伝えると、「流行りなんかに流されたくない!」と。

「健康にはとても気を付けている」と答えるので、お勧めしたら、「年寄り扱いするな」と怒られ、

おしゃれに見えますよとお勧めしたら、「そんなのはもっと若い人に勧めてあげたら?」といなされる。

あなたはどう思いますか?と聞いているのに、「XXXXみたいなひとにぴったりで、とてもいいんじゃないかと思う」と答えて、自分はどう思うのか言ってくれない。

・・・・・

 

少しでも対消費者マーケティングに関わったことのある方なら、みなさん経験されているはずです。

そして、これらの「矛盾」を解決してくれる万能の手法は、無い。

結局、やるべきことは、ただひたすら「なぜそう答えたのか」を「自分で考える」ことのみなのですよ。

いやぁ~、楽しいですねぇ。 皮肉ではなく、本当にそう思います。

(ときどき、「だから消費者調査なんてやめてしまえばいいだけだ」とおっしゃる方がいらっしゃいますが、それは一部の天才にしかできないことだと思いますし、せっかくの武器を捨ててしまっているだけのようにも思います。 使い方と、「あなたの考える力」の問題かと。 もちろん、たくさんやればいい、というわけでもありませんが。)

 

しかし、「自分で考える」にしても、何かモデルなり、方式なりはないのか。

もちろん、世の中には、たくさんのフレームワークや分析手法や調査手法があふれているので、そういうのにヒントや解決策を求めたくなるわけですが、その場合でも、何がわかっていないのかがわからない限り、正しい手法を選ぶことはできないので、やっぱり「自分で考える」を避けて通れない。

 

そんなとき、私はどのように整理しているか、ですね。

 

 

まず、ひとは「感覚」と「こころ」と「あたま」と「たましい」からできていて、でも、外から見えるのは「ふるまい」(本人が言ってもいいと判断したことば・発言(あたまの一部)を含みます)だけ、だ、と捉えます。

(余談: 感覚だけ漢字なのがくやしい・・・誰かいい言葉あったら教えてください!)

SensesHeartMindSoulBehaviorということですね。

と書けば、(ほとんどいないであろうけれど)このブログの愛読者は、私がすでに何度も書いてきたことだと気づかれるかと思います。

Senses=五感、Heart=情緒・右脳、Mind=理屈・左脳、Soul=主義・価値観・こだわり、Behavior=行動・表現、と言い換えてもいい。

(主義・価値観、理屈とか書くと、すごいことみたいに見えますが、あくまで関連するカテゴリ・生活領域内の、です。 これで全人格を解剖してしまえるなんて思ってません。)

 

ひとは、例えば、外界からの刺激を感じ取り、それに対して何らかの感情を抱きます。 その感情に対して、頭で考え、記憶と照らし合わせて、さらには長年の積み重ねで形成されてきた自分のこだわりや基準、価値(ときに社会的な規範)と照らし合わせて、どのように対応するかを決めます。

もちろん、順番が違ったり、どれかをすっ飛ばしたりもします(赤信号で止まる、なんて、いちいちこんなことしないですからね)。 というか、日常のほとんどの行動は、すっ飛ばしてるほうが多い。

 

さて、ここでちょっと注意しないといけないことは、この5つの要素に、必ずしも論理的なつながりや明確な因果関係が存在しているとは限らない、ということでしょうか。

結構、バラバラ、です。

ホントは?と言われても、そんなこといちいち考えてないし、わかっていたとしても、そもそもホントのことを、そうそう他人に明かしはしないですしね。

だから冒頭にあげたような、一見すると矛盾するようなふるまい・言動が頻発する。

 

ここで、世の多くの、驚くほど多くのマーケターたちが撃沈してしまうのです。 なにせ、みなさん、頭が良くて、分析し、考えることが仕事=Mind中心のひとたちなので、「この5つの要素に、必ずしも論理的なつながりや明確な因果関係が存在しているとは限らない」が、腹落ちしないんですね。

だって、調査でX%のひとが、「XXXXだったら使う」って言ってたじゃん。

それ、ただの「ふるまい」の、しかも、ほんの一部で、しかもホントなのかわからないんですから。

 

ただし、完全に矛盾したまま、バラバラで無関係なままか、というと、実はそうでもなく、ゆるやかなつながり・一貫性、くせみたいなものが存在します。

特定の生活領域(広義のカテゴリ。 業種という意味ではなく、生活上の関連性という意味)であれば、これら5つの要素は、ある程度関連が見えてきます。

 

ともかく、まずは、あなたの商品・サービスの領域において、ひとは、どのように感じ、想い、考え、判断し、行動しているのか、を、把握すること、あるいは、考える、想像してみること、です。 外から見えるのは、属性と「Behavior・ふるまい」だけですから、推測したり想像したり確認してみたりしないと、たどり着けません。

つまり「深読み」です。

それらの間に矛盾があっても、それはそれで置いておきます。

むしろ、矛盾しているほうが普通で、しかも、そこにはインサイトが潜んでいる可能性も低くないので、「なんで?」があったら、喜びましょう。

「深読み」なので、間違っていることもありますが、それも含めて、いろいろ疑ってみる感じです。

 

まぁ、毎回毎回、このような図を埋めているわけではないんですけどね。 私自身は、もう2~30年これやってるんで、慣れちゃってますから。 でも、わかりやすいように、あえてまとめてみると:

 

えとじやフレームワークひと

 

例えば、「買う気満々なのに、製品とかデザインとかに、片っ端から文句つける」のは、どういうことなのか考えてみる。

これ自体は、Behavior=行動・ふるまい、ですが、「買う気がある」のは、主にHeart=こころの働きですよね。 文句つけているのは、Mind=あたまの働きです。

もしかすると、彼はその商品なりブランドのことが、大好き、愛してさえいるのかも知れませんよ。 (Apple好きのひとを思いうかべてみたりすると、わかりやすい?) すでにSoul=自身の価値観・主義のレベルでブランドを愛していて、その愛情の表現として「文句をつけている」のかも知れない。 だとすると、彼の文句は、笑って聞いてあげればいいわけです。 (もしかするといい発信者になってくれるかも。)

いや、実は、「買いたい」けど、なんらかの理由で「買えない・買うべきではない」と判断したいのかも知れません。 こころは欲しいなぁ~と言っているが、あたまが買うなと言っている状態です。 欲しい理由は、「なんとなくかっこいいから」、つまりSenses=感覚からHeart=こころに来ているものだけれど、すでに同じようなものを持っていたりして、さすがにダメだよね、と。 なので、一生懸命「買わない理由」を探しているのかも知れないわけです。 だとすれば、Mindに「買ってもいい・買うべきだ」という後押しを探してあげればいい。 例えば「今だけの限定色」とか。

どちらもあり得ます。 ので、もっと彼を観察してみよう、違う質問を投げかけてみよう、となります。

 

「あなたはどう思いますか?と聞いているのに、『XXXXみたいなひとにぴったりで、とてもいいんじゃないかと思う』と答えて、自分はどう思うのか言ってくれない」ひと、結構いますよね。 グループインタビューとかやっていると、「以前もお会いしましたよね?」くらいお会いします。

(自分の意見を聞かれているのに、他人・「みんな」の話をする、のは、ホントに日本人の悪い癖で、これが仕事仲間だったら「お前の意見を聞いてるんだ、お前に、他人や、ましてや『みんな』の話をする権利があるのか? そんなことは聞いてない!」と一喝すればいいんですが、相手が調査対象者やお客様だとそうはいかない・・・。)

さて、彼女はおそらく遠回しに「私は買いますとは言いたくない」と言ってるんですよね、きっと。 それが、「私の意見」を避けるふるまいにつながっているように思えます。

どうしてでしょう。

もっともありそうなのは、こころの中で、ホントに欲しくないと思っているが、それをそのまま言うのは相手を傷つけてしまうので、遠回しな言い方をしている、というケース。 (道徳的に正しいふるまいをしているように見せたいのかも。) たいていはこれなので、その場合はスルー。

しかし、よくよく話を聞いていると、実は、彼女、商品のこと、機能や便益をかなり理解していらっしゃるようで、あたまは「これ悪くないかも」と判断している可能性があります。

その場合、「何かが引っかかっている」か「何かの理由で響いていない」のかも知れないのですよ。

これを使っていることが他人に知られたら恥ずかしい、と思っているのかも知れない!

それがこころの作用であれば、解決可能なはず。

それが「私の主義に反する」=たましいの作用の場合は、たぶんあきらめたほうがいいでしょうが、その原因は知っておきたい。 変更可能なものかも知れないので。

いや、単純に、第一印象で「あら素敵」と感じられなかったので(Senses)、こころが動かなかったのかも知れませんね。 それは、デザインや色、手触り、形、ネーミングの響き、音楽などが原因なのかも。

または、それを使っている自分を素敵だと想像できるような、困りごとがなくなってホッとしている自分を想像できるような情報=インサイトが欠けているので、響いてないのかも?

どれだろう? もっと聞いてみよう、観察してみよう。

などなど・・・。

 

とまぁ、こういう具合に、「なぜそうなのかを自分で考える」ための、すなわちより確実な深読みにたどり着くための整理ができる。

できる? いや、私はそうしている、というお話。

 

まずは、ざっくりと「ひとを捉える」フレームワーク的なもののお話でした。

 

お。

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  • えとじや店主

    えとじや店主。マーケティング一筋30年。世の中の様々な問題を「ブランド・マーケティング」で解決する腕利きコンサルになるのが夢。なかなか、そうはいきませんが。 ともかく、マーケティングに関わることはなんでも相談に乗ります。スノーボードと音楽が趣味ですが、「うんちく」と「説教」も大好きです。

  • えとじや番頭

    えとじや番頭。消費者リサーチ歴18年。市場や消費者を理解することで、ブランドが強くなり商品が売れる、という経験を何度も味わってきました。 調査をどうやったらいいのかわからない、結果を見てもどう使っていいかわからない、そんなときにはぜひご相談ください。

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    えとじや店員。兼フードコーディネーター・レシパー。兼マーケティングができる中小企業診断士。どんなことでもたいていやっているうちに面白味を見つけてしまい、ハマるタイプです。 リサーチ、マーケティング、料理など、それを繰り返して今に至ります。今度はえとじやでどんな面白いことが経験できるのか、わくわくしています。

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    えとじや店員。お抱え絵師(デザイナー)。パッケージデザイナーとしてメーカーで約7年働きました。マーケティングやリサーチはまだまだ初心者。デザインの力を使ってみんながニコニコできるようなものを作れたら嬉しいです。アニメ、漫画、手芸、落書き、クレイアニメーション…、ちまちま何かを作るのが好きですが、大雑把で不器用…。細やかさを欲しています。

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    えとじやお針子(ライター)。マーケターを5年したあと、マーケティング博士号取得、その後、リテールサービス企業のマーケ部長に。なんと、えとじやクライアント&えとじやブログのライター。 理屈も現実もそのはざまも経験、マーケティングの仕事ってなんなの?どうしたらいいの?という悩みにはいちばん共感できる立場かも。

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